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ノロウイルスが発生した場合、次亜塩素酸水をどう使用するか

ノロウイルスインフルエンザウイルスに効きます」
「ノロウイルスを撃退します」

次亜塩素酸水の販売会社は上記のうたい文句を当たり前のように
使用しています。

私も声を大にしてそのように言いたいところですが、今のところ
大々的にそうは言えない実情があります。
(エビデンスはあるものの、です)

ましてや病院や介護施設でスタッフに配布される
「ノロウイルス対策マニュアル」の吐瀉物処理の部分に次亜塩素酸
ナトリウムに替えて次亜塩素酸水と記すことなどできません。

それはなぜでしょうか・・・。

さて、これからの食品業界は(もちろん今までもですが、さらにしっかりと)
安全を第一に優先しなければならないのは言うまでもありません。

日本はこれから、世界でも例を見ない超高齢社会になるわけですから、
食品業界のみならずあらゆる業界でも、衛生管理や感染症対策には
今まで以上に力を入れなくてはならないでしょう。

次亜塩素酸水の様々な特性を考えれば、これを有効に使用することが
「安全」「環境衛生」「感染症対策」には欠かせないポイントとなる
ことが理解できると思います。

が、しかし・・・

次亜塩素酸水は医薬品でも、医薬部外品でもありません。
特定農薬でもありません。

次亜塩素酸水は経時変化するという性質を持ちます。

これが上記の指定を受ける事を難しくしている重要なファクター
の一つでしょう。

(別のブログにも書きましたが、除菌消臭剤コーナーに置いてあった、ある
次亜塩素酸水製品を買って有効塩素濃度を調べたところ、ほぼ0に近い濃度
でした。
チェーン展開している某有名ホテルの客室にも次亜塩素酸水製品が
置いてありますが、こちらも除菌に必要な濃度が出ていませんでした。
きちんと管理されている状態では有効に働く次亜水も、管理されていない
状態ではほぼ無能化してしまいます)

ですから、次亜水がどんなに優れた有効性を持っていたとしても、
使用する文言や使用するシチュエーションには注意をしなければならない
わけです。

今のところノロウイルス患者の吐瀉物対策には、保健所が
指導しているように次亜塩素酸ナトリウム水(1000ppm以上の濃度)
での処理をしたうえで、周辺の壁紙やソファなど次亜塩素酸ナトリウムでは
処理しきれない部分や範囲を次亜塩素酸水で対処してはいかがでしょうか?

でないと、もしも感染が拡大して保健所の立ち入りがあった場合に、
問題視される可能性があるからです。

となると、次亜塩素酸水のもっとも有効な活用手段は何でしょうか?

答えは、ノロウイルスなどが発生した際の対処として・・・ではなく
「予防として手指除菌や空間除菌で使用すること」だと思います。

まず、「発生させない」ことがもっとも大切ですからね。

是非、次亜水の濃度管理に気を付けて、ノロウイルスやインフルエンザ
ウイルスの感染を防御することに努めましょう!